ウォーレン・バフェット氏に学ぶ「株の極意」

ウォーレン・バフェット氏といえば現在、アメリカで最も有名な投資家であると同時に、アメリカ有数の資産家としても知られています。

彼は独特の相場哲学を持ち、その相場哲学に沿った投資を実践して、他の著名な投資家が足元にも及ばないような抜群の実績を上げています。

その相場哲学、株式投資法は単純明快で、初心者に近い個人投資家でも十分に理解できるものばかりです。

個人投資家は、株式投資に迷いを感じたら、ウォーレン・バフェットの投資法に学ぶことをお勧めします。

ウォーレン・バフェットの名言は本や雑誌、インターネットなどで見ることができます。その中には珠玉の名言も少なくありません。

中でも名言中の名言には、次のような言葉があります。

「株式投資の極意は、良い銘柄を見つけて、良いタイミングで買い、良い銘柄である限りそれを持ち続けること。これに尽きる」

では、「良い銘柄」とはどのような銘柄なのでしょうか。

 バフェットは次の4つの投資基準に合った銘柄が、良い銘柄と考えています。

(1)事業の内容が理解できること
(2)長期的に業績が良いことが予想されること
(3)経営者に能力があること
(4)魅力的な価格であること

この4つの条件に合った銘柄を探すことは、素人の投資家でも、それほど難しいことではありません。

バフェットがこれまで投資した主要銘柄がコカ・コーラ、ウォルト・ディズニー、アメリカン・エキスプレス、ジレット、ワシントン・ポストなどだったことで、どんな銘柄が投資の対象として良い銘柄なのか、容易に想像できることでしょう。

かつて株式市場がITバブルに沸いた時、バフェットは「事業内容がよくわからない」と考え、IT関連株やハイテク株には見向きもしなかったため、ITバブルで儲けることはできなかったのですが、その代わりITバブル崩壊によるダメージも皆無でした。

彼はIT株に手を出さなかった理由について、次のように述べています。

「もし20年先を考えて投資するなら、普通は変化の激しいハイテク業界を選ばない。ちょっとした変化に乗り遅れるだけで致命傷を受けます。しかし、コカ・コーラについてはかなりの確実性を持って20年先の姿を描けます」

しかし、そのバフェットが、2011年にはIBMやインテルなど、IT関連株を大量に購入し、市場の話題を集めています。

徹底して勉強した結果、事業内容がよく理解できるようになったのか、それとも投資スタンスを変えたのか、それは今のところ不明です。

また、バフェットは個別銘柄について、次のように語っています。

「産業界というものは、金を払って投資するに値する、極めて少数の一流企業と、長期投資する魅力が全くない、膨大な数の二流企業から成り立っている」

「ある企業が一流企業になれるかどうかのカギは、その企業が何らかの点で優位な立場を確保しており、他社の新規参入で製品の売値や収益を圧迫される恐れがないという条件を備えているかどうかである」

「偉大な企業とは、今後25年から30年、偉大であり続ける企業のことだ」

つまり、一流企業になれるためには、知名度が高く、抜群の競争力を持つ有力商品を抱えていること、しかもその有力商品が10年後、20年後、30年後も有力商品であり続ける可能性が大きいことなどの条件をクリアしなければならない、というわけです。

バフェットの趣味は、決算期末ごとに送られてくる上場会社のアニュアルレポート(年次報告書)に丁寧に目を通すことです。

その中には、どんな商品の売れ行きが好調なのか、どんな商品の売れ行きが落ちているか、どんな新商品を売り出したか、業績は順調に推移しているか、今後の事業計画など、投資家にとって興味深いことが詳しく書かれています。

しかし、個人投資家で、会社から送られてくる年次報告書に目を通している人は、皆無に近いはずです。大半の投資家は、会社から送られてきた報告書を、そのままゴミ箱に直行させているのではないでしょうか。

「会社から送られてくる報告書に目を通すのが趣味」といえるようになれば、少しはバフェットに近づくことができるかもしれません。

次に、「良いタイミング」とはどのようなタイミングなのでしょうか。

「ほとんどの企業は普通、実体価値以上の値段で売買されているが、ごく希に、素晴らしい一流企業が誰からも見捨てられていることがある。そんな時には、たとえ景気や相場の見通しが悪くてもかまわない、思い切って買うべきだ」

「バークシャー(バフェットが経営する投資会社)が買いを入れるのは、他の投資家がレミング(ネズミの仲間)のごとく一斉に売りに傾く時だ」

「株価の動きを予測するという方法は、しょせん推測の域を出ない。会社を正しく選び、その株を妥当な値段で買いさえすれば、それにふさわしい結果が待っている」

「良い銘柄である限り、それを持ち続けること」と考えるバフェットにとって、大事なことは買うタイミングだけで、売るのは「良い銘柄でなくなった時」ということになります。自分が経営する投資会社を使って株式投資を行っているバフェットにとっては、良い銘柄を持ち続けることが、投資会社の業績を伸ばすことになりますので、この点では個人投資家とは、投資法がやや異なるのは当然のことです。

個人投資家の場合は、相場が高値圏、天井圏に近づいたら、ひとまず全保有株式を売却して利益を確定し、次にやってくる買い場(安値圏・底値圏)を辛抱強く待つという姿勢が必要です。

また、バフェットは「投資家として成功する資質」として、次の6つの資質を上げています。

(1)抑制の利いたどん欲さによっていつも心が活発に動いていること。投資の面白さに魅せられていること
(2)辛抱強いこと
(3)他人の意見に左右されず、自分で考えること
(4)十分な知識によって心の平静と自信を身につけること。せっかちも頑固もいけない
(5)知らないことは知らないという率直さを持つこと
(6)どんな業種の株を買うかについては柔軟性を持って臨むこと。ただし、その銘柄の価値以上の値段では決して買わないこと

この6つの資質を兼ね備えた投資家は、少ないかも知れません。しかし、この中に自分に欠けている資質があれば、それを克服する努力をすればよいことです。

バフェットの投資法は、初心者に近い個人投資家でも真似することができる、シンブルでわかりやすい方法です。

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経済ジャーナリスト・西野武彦
<筆者プロフィル> 1942年愛媛県生まれ。中央大学法学部を卒業後、株式専門誌などの編集・記者を経て、87年に経済ジャーナリスト・経済評論家として独立。証券、金融、不動産から経済一般まで幅広い分野で活躍中。的確な読みとわかりやすい解説に定評があり、著書は90冊を超えている。「もっともやさしい株式投資」「『相場に勝つ』株の格言」「相場道 小説・本間宗久」(日本経済新聞出版社)などがある。

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