鉢呂氏の発言 非難は的外れ

無職 (神奈川県鎌倉市 70)

「鉢呂吉雄経産相が福島視察後の発言をメディアに問題視され辞任した。だが、果たして辞任に値するような発言だろうか。特に『残念ながら市街地は人っ子一人いない。まさに死の町という形だった』という発言は、深刻な事実を率直に表現しただけではないか。言葉の裏にも避難住民を侮蔑する気配はみじんも無い。では、チェルノブイリ周辺を『死の町』と報じたメディアは無かったのか。『放射能をつけちゃうぞ』も非公式の場でじゃれただけの話ではないか。

私も東日本大震災の被害者だ。宮城県山元町にいずれ永住するために家を買い、約18年行き来をしていた。だが、家は津波で一瞬にして全壊した。震災後も行くたびに被災時と変らぬ悲惨な町の状況を見て、まさに『死の町』だと感じた。

私が今回の鉢呂氏の発言を聞き、改めてこみ上げて来たのは安全をなおざりにして原発を推進して来た者たちへの怒りだ。政治家や官僚、電力会社、学者たち。避難さるべきは事実を語った鉢呂氏ではなく、『死の町』を生み出したこれらの者たちのはずだ。その責任追及こそメディアの責任ではないのか。

政治家の悪意の無い素直な表現にまで目くじらを立てていたら、だれも真実を語れなくなり、現実に即した政治などできなくなる。横並びで揚げ足取りばかりする昨今のメディアの報道姿勢には強い不信を感じる」

朝日新聞投書